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アルミ二次精錬プロセスの活用によるパソコンのハードディスクからのネオジム磁石の回収
対象となる使用済み製品
●ハードディスクドライブ(HDD)
HDDが使用されている製品
パソコン・サーバー・カーナビ・ゲーム機・ハードディスクレコーダー
デジタルオーディオプレイヤー等
従来の分解方法では
●手作業で分解するには時間が掛かってしまう。
●カシメ止めしてあり分解し難い作りのHDDも多くある。
●強力な磁力による怪我やその他の危険性を伴う。
●機械化も開発されているが採算性が見合わないことも多い。
HDDからのネオジム磁石の回収と溶解分離
●アルミ溶解の既存設備を活用。
●一度に大量のHDDを短時間で分解することが出来る。(約1ton)
●HDDを構成する部品の融点温度の違いを利用した溶解分解を行う。
●どの様なサイズ、組み立て方法のHDDでも分解が可能。
HDDからネオジム磁石を回収するプロセス
1:HDDスクラップ集荷 | 2:回転炉にHDDスクラップを 投入 |
3:アルミ合金が溶ける (660°Cに昇温) |
4:溶け出したアルミを抽出 | |||
5:溶解後のアルミ合金 | 6:アルミ抽出後の残渣を 取り出す |
7:残渣からネオジム磁石の 仕分け |
8:ネオジム磁石の回収 (リサイクル) |
本プロセスの特徴
●四位一体プロセス
1.データの完全消去。
2.どの様な仕様のハードディスクでも解体可能。
3.ネオジム磁石の脱磁※ 310°C(キュリー温度)以上の熱を加えるため、磁力が無くなる。
4.ニッケルメッキ剥離。
●設備投資
既存のアルミ溶解炉を活用した。
●HDD組成金属材料のリサイクル
ネオジム磁石・鉄・ステンレス・アルミニウム・銅
本プロセスの実績と品質
●実績
HDD処理実績 305ton (HDD換算58万台)
回収したネオジム磁石 3,609kg
回収希土 ネオジム 1,065 kg
回収希土 ジスプロシウム 54kg
●品質
回収ネオジム磁石は、含有する酸素や炭素を除去するため、一度、酸化希土に分離精製される。
天然原料製品と同等品質であることは、株式会社三徳(ネオジム磁石合金メーカー)で、立証使用された。
今後の課題と対応
●現在はパソコンリサイクル会社からの回収が大半であるが、今後、データ消去の重要性と国内リサイクルの大切さをPRし、
幅広く多くの会社や団体からの回収を拡大。
●HDD以外のレアアース磁石を多く使用するハイブリッドカーを始めとして、他分野からのレアアース磁石のリサイクルに取り組みたい。
●回収材料の物量確保の安定化。